「教師としての技(スキル)を磨く、48」

子どもの学習する力を育てる教師の技(スキル) その1

2011年2月(6月改定) 加藤 久雄

 

    *ここでも、基本は「ほめること」。子どものやる気を引き出すこと。

 

1 聞く力を育てる

    ・お母さんのお腹にいるときから、聞いている。

    ・五感を使って聞く。

    ・「はひふへほ」で聞く。

    ・口元を見て、聞く。(人間の目は怖い)

    ・言って聞いてもらえる人にしか、人は悩みを言わない。

    ・学校でいちばん大事なことは、先生の話をしっかり聞くこと。

    ・聴く=耳を立てて聞く。注意して聞く。

    ・「子どもの声に耳を傾ける、子どもの話を聞くこと」

・「あなたは大事な存在だよ。愛されるべき存在だよ」という最高のメッセージ。

       ・わたし達大人は、聞いてやることしかできない無力な存在なのだ。

       ・「聞く力」とは?(新聞記事「本と話題」)

 

2 話す力を育てる

    ・「学校は本当のことをいってはいけない場」では、ダメ。

    ・学級を誰もが、安心して、自由にものが言える、意見表明ができる空間にする。

    ・話したくなる、発言したくなる授業をする。(形から入るのはダメ)

    ・子どもの話す力は、親・教師が聞いてやることによって育つ。

    ・子どもの話す力を育てる工夫をする。(ディベートの授業など)

    ・教師の話し方

         「声の大きさ、トーンは大事」

            ・いちばん遠くの子にたっぷり届くように。

            ・声の大きさ・トーンを変えて、子どもを引きつける。

         「斜めの構えで話す」

            ・黒板と子どもを両方、目に入れる。

         「立ち位置は大事」

            ・どこに立つか?(集団全体が目はいる所に)

         「流れる目はダメ」

            ・いちばん話を聞いてもらい子に焦点をあてて。

「結論を先に言う」

「それからは禁句」

「三つ言います。一つ目は・・・」の話し方を身につける。

         「子どもを引きつける工夫をする」(「全校朝会の話の工夫あれこれ」)

         「話のスキルを磨く」

・説明と描写を意識して話す。説明ばかりの話は嫌がられる。

・描写が、聞く人を引きつける。描写の力は「落語」と「フーテ

ンの寅さん」で身につける。

 

3 読む力を育てる

    ・読む=耳を傾けること。心を傾けること。

    ・基本は、本=文字を読むこと。

    ・読まない者は、教えることができない。(「虹をつかもう 第13号」、「私達の本棚」)

・読書好きな子にする。

・「いつも、読みかけの本を」(教師がお手本になる)(時々、聞く)

    ・「テレビ・読書ノート」を作らせる。(教師の読書ノートを元にして)

        ・教師自身が「年間100冊」の読書を実行する。

        ・年間100冊を50年続けても、生涯5000冊。わたしたちは、何も

         知らないに等しいのだ。

    ・本をよく読む子は、学力が高い。学力が伸びる。

    ・「絵本」をあなどらない。

    ・「読み取り、読み開き、読み破る」力をつける。

        ・子どもの行動の意味を「読み取る」ことができないと、その子とつながる

ことはできない。

    ・○○を読む。

       本を読む、人(子ども)の心を読む、顔色を読む、空気を読む、天候を読む、

       風の流れを読む、政治の流れを読む、経済の動きを読む、情勢を読む、人類の未来

を読む、配球を読む、大局を読む(大局観)、実践記録を読む、などなど。

 

4 書く力を育てる

(1)字を書くときは

        ・正しく ・速く ・きれいに ・心をこめて

        ・「自分で自分を粗末にするな!」と子どもをしかる。

(2)ノートの取り方を教える

       ・ノートを見れば、その子の学習への向かい方がわかる。

       ・ノートの取り方を丁寧に教える。(どんなノートを、どのように使わせるか)

       ・優れたノートをコピーして貼り出す。(ノート名人)

     (3)聴写の力をつける

      ・問題、課題は、聴写で書かせる。黒板を見ずに、教師の声を聞いて書かせる。

      ・子どもらの力に合わせて、スピードを上げていく。

   (4)優れた文章の視写は、基礎学力をグーンとアップさせる。

      ・毎日、3分間の視写を。

      ・暗唱、暗写にもチャレンジを。クラス全員で暗唱できる詩をいくつか持つ。

  (5)道具の使い方を丁寧に教える。

      ・定規の使い方(線を引くことも算数の大事な学習の一つ)

      ・コンパス、はさみ、ノコギリ、筆・パレットなどの使い方。

      ・雑巾の絞り方、ほうきの使い方、掃除の仕方と手順、などなど。

 

5 学習する力の基礎の力を育てる

    ・想像力を育てる。      ・意見を表明する力(表現力)を育てる。  

・感受性(感性)を育てる。 ・知的好奇心を育てる。 

・学習・仕事の段取り能力を育てる。

 

(おまけ) 嫌われる教師ワースト3

ワースト1 ひいきをする先生。

        〃  2 チャイムがなっても授業を続ける先生。

               ・子どもの権利侵害。自由に使える時間を奪うから。

 〃  3 話の長い先生。

               ・「それから」は禁句。 ・結論を先に言う。

               ・「三つ言います。一つ目は・・」という言い方を身につける。

(以下、2011年現役の大学生の嫌いな先生)

        〃  4 押しつけがましい先生。

 〃  5 理想ばかり言う先生。