教師が学級・・・学年集団のヘゲモニー(主導権)
をとるまでの指導を明らかにしよう!
メモの全文(××はチームメート4人の実名)
皆さんへ
今、誰かが私の手紙を見ている時、きっと私は死んでいるでしょう。
この忙しい時に御迷惑をおかけします。
今まで、私を愛し、育ててくれた家族、ありがとう。
今まで仲良くしてくれた友達、ありがとう。じいやん、がんばって早くよく
なってね。部活のみなさん、特に××さん、××さん、××さん、××さん、
本当に迷惑ばかりかけてしまったね、これでお荷物が減るからね。
もう何もかもがんばる事に疲れました。
それでは、さようなら。
友だちを失いたくなかった。何を言われても、相手に合わせれば自分と付き合って中学2年生。万引きをしているとの話が担任に寄せられ調べてみると関係者女子7名。中1の夏からはじめた子ども〜今年の春休みに誘われて万引きをはじめた子どもまで幅広いものです。この中の4人は、事情聴取の中で、はじめは「仲間の目」を気にして本当のことを話しませんでした。しかし、万引き仲間をかばうことが本当に自分と仲間の幸せに繋がることなのか?悪いことをしたという心が本当にあるなら真実を話すことが再出発のスタート地点に立つことになるという話から、やっと真実を話し始めました。問題は、残り3人。
くれる。そう思ってた。やるごとにどんどんどんどん自分が汚れていく。そんな気が
した。先生やお母さん、友だちにウソをついた。偽りの言葉がどんどん出てきた。や
ったことを話せば友だちに責められる。そう思ってた。でも、本当はそんなんじゃな
かった。自分の汚いところを見られたくなかった。自分の周りをウソでいっぱいに固
めて誰も自分の心に踏み込めないようにした。自分が傷つきたくなかった。
でも、ウソに何の意味もなかった。その時にだけしか通用しなかった。みんなやっ
たことを話していた。ショックだった。簡単に自分のことを話されていた。結局、自
分は傷ついてしまった。先生も傷つけた。もう、どうしようもなかった。どんどん泥
の中に埋まっていった。こんな自分、嫌だった。生きている意味がないんじゃないか。
死んで最初からやり直したい、そう思ったりもした。
でも、お母さんは、「自分が悪いと思っているのなら別に何も言わない。」と言っ
てくれた。嬉しかった。普通の親ならもっと怒っていると思う。でも、お母さんはそ
んなことしなかった。自分の味方になってくれている人がこんな近くにいるんだとは
じめて知った。また、自分が汚いと思った。
取ってしまったのは悪いけど、今度はちゃんと自分の意志を持って友だちを失って
もいいから「断れる勇気」を持ちたい。ウソをついてしまってごめんなさい。
(R子の生活ノートから)
班づくり | リーダー(核)づくり | 対話・討論・討議づくり | |
教 師 と 子 ど も の 出 会 い 段 階 |
・子ども、学校の現実に 応じて班をつくる。 ・そこでの活動が子ども 自身のものになるよう にし、教師の働きかけ でこんなに楽しい生活 になることを実感させ る。 (親密圏の形成) ・分かる授業の確立 |
・どんな形であれ、班長 になったものにリーダ ーとしての役割を与え ていく。 ・そこでの評価を大事に しつつ、リーダーの発 見に努める。 (評価の順序性) ・その際、応答関係を築 く事を重点に指導して いく。 |
・語り、聴く関係をとり わけ大事にする。 (対話的関係の重視) ・「共感」をベースに受 容し、要求を丁寧につ かむ。 (応答関係の編み直し) ・子どもの問題は子ども に返しつつ、教師の価 値観をそっとぶつけて いく。 |
自 治 的 段 階 T |
・親密なグループから共 同グループの発展を意 識する。その際、班の 役割を重視する。 (班の発展) ・班、グループ間の批判、 援助が生まれる。 ・自他の観察分析をしあ うようになる。 |
・教師と共に集団にあた るリーダーをつくる。 ・生活現実を共に読み開 く思想的対話を進める。 ・教師と共に班長会は学 級を分析、要求に応じ た取り組み案を教師と 共に作成、提案する。 (原案提出権) |
・分からないこと、不利 益には意見を言うこと を教える。 ・自分たちで決めたこと は守ることを教える。 みんなが守れない内容 については柔軟な決め 方をする。 (原案の討議) |
自 治 的 段 階 U |
・班、グループの取り組 み領域を拡大する。 ・グループの公的課題に 挑む活動の広がり。 ・地域活動への参加が見 られる。 ・班長会による班編制T |
・リーダーの個人的自覚 を持ち、仕事の困難さ を認識した上で立ち上 がってくるリーダーが 現れる。 ・課題を抱えた子への日 常的な取り組みが始ま る。 |
・「自己変革」の重みが 理解されてくる。 ・他者認識、自己認識、 集団認識が深まってく る。 ・対話、討論のテーマが 多様になってくる。 |
自 治 的 段 階 V |
・班長会による班編制U ・班、グループとは別に 問題別・課題別に取り 組みが始まる。 ・当事者をこえて、判断 し、行動に移れる。 |
・リーダーへの批判や支 持がはっきり出せるよ うになる。 ・リーダーとしての自覚 を持つものが半数近く になり、集団が自己指 導をはじめる。 |
・集団による支持と拒否 の能力、形式が定着す る。 ・学級外の取り組みを討 議の対象にし始める。 ・リーダー機関に指導 権、管理権が移行する。 |